2013/06/08 アヒル口もいいけれど
割りばしを口にくわえると口角が上がり、笑ったような表情になって、気持ちも楽しくなる。
実際、横にくわえてマンガを読んだときと、縦にくわえて読んだときでは(端のほうをくわえるとこになり、落とすまいと力が入り、口はへの字になる)、横にくわえたほうがマンガを楽しく感じるという。
身体に生じた変化に脳が反応して情動が生じること、これを抹消起源といい、
反対に、情動がはじめにあり、それを脳が解釈して身体が反応することを中枢起源という。
"箸をくわえて"というのは、抹消起源説のほうだが、
実際はどちらか一方だけではなく、両方が組み合わさって生じているらしい。
笑顔というのは正直なもので、
心から楽しんでいる表情や、心からの笑顔では、人をだませない。
一方で、悲しみや怒りというネガティブな表情は人をだましやすい。
なぜかというと、ネガティブな感情は、生存に関わってくる恐れがあるからだ。
命に関わるから、少しくらい間違っていても敏感に反応しておく。
その点、笑顔は人の生き死にに直接的には関わらない。
悲しみや怒りは演じやすいが、心から笑うことは演じにくい。
どうなんでしょう、役者の皆さん?
確かに、作り笑いは見破られやすいですよね。
感情というのは、
自分が思っている以上に、相手のほうがよくわかっている、
ということが実際に分かっているらしい。
自分が今どのような情動状態なのかを、自分で判断するよりも、相手があなたの情動状態を予測しているほうが、より正確なのだという。
身に覚えがたくさんある。
つらいことや悲しいことがあって、あるいは怒りがあって、それを人に知られたくないから必死で感情を抑えようとしているのに、事務所に来た途端にばれてしまうとか・・・・・。
仕方がないと諦めよう。
相手は、自分よりも自分の感情をよく知っているのだから。
声や表情で相手をあざむこうと思っても、あざむかれるのは自分のほうなのだ。
ネガティブな感情は人に知られたくないけど、楽しい気分や笑顔のもとは、人にも伝えたい。
黙っていても自分が思っている以上に伝わるのだから、何もしなくてもいいといえばいいのだが、笑顔って顔のパーツでいうと、どこでいちばん伝わるのか?
絵を描くことを考えたら、やはり「口」だと思うだろう。
ニッカー! と笑った口元がポイント・・・・・ではないらしい。
人が人の正確な感情情報を得るところは、「目」なのだそうだ。
どんなに口角上げても、アヒル口しても、目が笑っていなければ、
楽しい感情は伝わらない。
どころか、ちょっと恐い。
「目は口ほどにものを言う」というのは確かなのだ。
人と接するとき、男が女に会うとき、磨いておかなければならないのは「目」。
女が男に会うとき、メイクに時間をかけるべきは「目」。
口は、評価対象としてはランクが低いんだそうだ。
知っておこう!
デートでも、ビジネスでも、人と会うときに キラキラした目の人は、
抜群に評価は高い。
「社長! もうつくり笑いはやめます」
「そうだな、すぐにばれるからな」
「明日から、アイメイクに気を配ります」
「だっからよ~! もっと内面を磨いて輝きなさい。オトコなんだし・・・・・」
参考:『「つながり」の進化生物学』岡ノ谷一夫著