2012/09/11   サッカーと脳

なでしこジャパンがW杯で優勝し、今年はオリンピックで準優勝、銀メダルを手にした。
つい先日までは、ヤングなでしこがU-20 W杯で活躍し、惜しくも3位の銅メダル。
ここのところ、女子サッカーに注目が集まっている。

日本の選手には(男子ね)、優秀なMF(中盤の選手)がたくさんいる。
ジュビロ磐田でかつて活躍したMF名波浩さんや、今も現役の清水エスパルス小野伸二選手、川崎フロンターレの中村憲剛選手など、彼らが一様に言うことのひとつに、「ピッチ全体を上から見ているようにパスコースが見える」というのがある。

ピッチにいながら(要するに地面にいながら)、グラウンドを上から見ているように人がどこにいて、どこが空いているのかが分かるのだという。
現実的には上から見ることは不可能なのだが、感覚的に空間全体を把握できるのだ。


この不思議な感覚、実は似ているものがある。
「幽体離脱」だ。

脳を調べる中で、ある場所を刺激すると、存在しないものがありありと感じられたり、自分の背後に幻影を感じたり、自分が天井にいる感覚を覚えたりするというのが、分かったらしい。
まさに、幽体離脱だ。

その場所は、脳の頭頂葉にある「角回(かくかい)」という個所。
こを刺激すると、身体が実際にある位置と意識が知覚している身体の位置がずれてしまう。

別に、不思議な現象ではなく、脳の能力のひとつである。


脳というのは、意識や心を生みだすためのものではないし、精神を司るところでもないとはよくいわれること。
脳は、身体のまわりの情報を処理して、適切な運動を起こすための「入出力変換装置」の機能を果たしているだけという。
(『脳は妙なクセがある』池谷裕二著)
ん~、例でいうと、
エサが近くにあれば近づき、敵がそばに来たら逃げる......といった、生きるために必要な反射行動を生みだすのが脳の役割だということ。

そう考えると、ピッチに立っている選手が、ゴールをするために、ゴール前にいる選手にパスを出さなければならない状況に対して、脳は必要な情報を俯瞰して見せることがどうしても必要だったために、「角回」を機能させ、見せた、ということなのだろう。


身体が求めれば("生きるために必要"とおもわせるほど強く)、脳はその方法を提示してくれる。あるときは、想像もつかない方法で......。



今日、2014年W杯アジア最終予選がある。
VSイラク!
どれだけの選手が、サッカー選手としてのプライドと人生をかけられるか。
それによって、見えてくることもあるのだろう。





"身体性"が明確になれば、脳はきっと最適なガイドをしてくれる。
さて、どうやれば身体感覚が高められるか!?
それが見えれば......